POPが使えなくなるGmailの乗り換え先としてSnappyMailを使おうと思ったら、メールの自動振り分けがレンタルサーバの制限で使えず、結局Squirrelmailを使ったという話


タイトル長いですね。でもこの要約の通りなのです。

2026年1月からGmailのアカウントに外部アカウントをPOP3で連携することが出来なくなります。Gmailが転送メールの受け入れ条件を厳しくして以来、この機能を使って仕事メールをGmailアカウントに集約して使っていた人も多いかと思いますが、無料サービスだったし、やむをえないですね。主な理由はセキュリティらしいし(アタックサーフェイスを減らそうという考え方のようです)。

じゃーどうする?という話です。outlook.comも外部アカウントを使えなくなくなった今選択枝はそう多くありません。

自分でWEBメーラーを準備する

自前でWEBメーラを設置するのが流行った時代もあるのですが今や昔。それでもいくつかのOSSアプリが存在します。個人的に好きなのはRainloop系ということで調べてみました。

するとちょうどよいことにこんな記事が。

POPが使えなくなるGmailの乗り換え先としてSnappyMailを使う方法を解説
https://juliet-inc.co.jp/blog/gmail-snappymail/

まさにこれだろうと思い読んでいると、ちょうど知り合いからGmaiが使えなくなるので対応を考えてほしいとの依頼。使用中のレンタルサーバーはお名前.comのSDサーバ。フーム、まあなんとかなるだろうと思い、構成考えることにしました。

お名前.comのSDサーバーのメールアカウントを利用する場合の制限

改めてGmailとの相性が悪いことを確認した次第です。

SDサーバーからGmailへのメール転送

SPFだけしか対応しておらず、SRSSender Rewriting Scheme)には対応していない。昔ながらの単純転送になります。このため、Gmailへの転送メールはGmail側のSPF判定で転送送信偽装していると扱われてしまい拒否され、受信できない、という状況がずっと続いています。多分お名前.comは対応しないんだろうな~。ちなみに他社ですが、XサーバなんかではSRS対応済なので転送がちゃんと届きます。そろそろ、どうにかしてもらえんかね。

お名前.comのレンタルサーバについてくるWEBメールには受信メールの自動振り分け機能がない

古いプランからだかかもだけど標準で用意されているWEBメーラで条件フィルターが使えない。つまり、メールが届いたときに送信メールアドレスやタイトルによる保存先の自動振り分けが出来ないので手動となる。これはキツイ。

お名前.comのレンタルサーバのSPAM判定はあるにはあるが有料(だった)

以前は有料だったのですが、一部無料になったました。での一部に該当しました。じゃあ、これは使える!世界最高水準の判定率を実現するCLOUDMARK社の「Cloudmark Authority」を採用ということらしいです。スパム判定されたメールにはタイトルの頭に[SPAM]の文字が挿入されます。

98%以上の高検知率で迷惑メールを撃退!って書いてます。

https://www.onamae-server.com/sd/spamfilter/

まずはSnappyMailで準備を進めてみる

上記の通り手順を用意してくれてるのでサクサク進みます。あ、PHP7.4以上にしとくのを忘れないようにしないとエラーが出てはまります。逆にいうとそれくらいかな。そして、いろいろ試していくうちにフィルターが利用できないことに気が付きます。あれ?と思い、別途検索してみると、「sieve」という仕組みでメールサーバに接続し、そっちで振り分けを行う仕様でした。なるほどね。ということでネットで情報集めて設定と。。。その接続はエラーで接続できません。あれ?

SDサーバでは情報出てこないし、ちょっとネット全体で検索。sieveをレンタルサーバで使いたいと・・んん??

記事供養:レンタルサーバーのWebメールで振り分けがしたい(記事供養)
https://ict-worker.com/web_cloud/imap-filtering1.html

記事供養だと・・・え・・出来ないってことか。
で、記事にあった結論を読むと。

「レンタルサーバー上のメールサーバーで振り分け
さて、では通常のホスティングサービスでこのsieveが利用できるところはというと……少し調べてみた限りでは見当たりませんでした……。」

あーそれですね。やっぱりね。という感じです。それ出来るくらいなら、最初から少なくともレンタルサーバ標準のWEBメールで振り分け機能をつけますもんね。

じゃあ、どうする?ってことで、しばしインターネット上を漂流しました。

結局SquirrelMail

調べて調べて・・・・結局SquirrelMailでした。おお、またあんたかいって感じです。まだこのメーラでWebメール提供してるレンタルサーバもありますね。

SquirrelMailはログイン時の独自のプラグインFiltersでIMAPを走査しあらかじめ登録したルールにのっとって振り分けをしてくれるようです。すごい。

問題は古いことなのですが、以外にもメンテナンスが続いているようで、PHP8に対応したバージョンも出ているようです。ふーむ。今回は安定のというか古の version 1.4.22を日本語化して使用してみます。

ANNOUNCE: PHP 5.4 & 5.5 Compatibility
https://www.squirrelmail.org/download.php

レンタルサーバー側ではとりあえずデフォルトがPHP7.4になっているのでひとまずそれでやってみます。基本動作は問題ないですね。

4.日本語化
これも、各所で実績がある方法で行います。ここで日本語設定対応版を配布してくれてるので、これが手っ取り早いかも。ひとまずこれを使いました。

管理画面を出す

さてオプションで振り分け機能であるfiltersで振り分けをしよう!と思ったらフィルタの設定がありません?えええ?でもダウンロードしたファイルにはfiltersはプラグインにちゃんと入ってる。管理画面からインストールしないといけませんね。

SquirrelMailのプラグイン追加は通常、コマンドから行います。
ところが、SDサーバのこのプラン、今はSSHが使えなくなりました(かつては使えたのに、残念)。じゃあどうするのってところですがGUIが使えるようになるプラグインがあります。でもそのプラグインを使うのにコマンドラインが必要・・・てアホなことにはならなくて、ちゃんとREADMEに書いてありました。設定ファイルとプラグインに特別な設定をかきなさいと。オッケー、それを実施したらGUIでの管理が可能になりました。

ひとまず動きます

メール受信も送信もOK。これまでアカウントに保存されていたメールも全部きちんと表示できる。添付ファイル操作もOK。

ということで導入したプラグインのfiltersを使って、送信者メールアドレスによる振り分け、正常に出来ました。スパム判定でついたメールタイトルに[SPAM]をついたものを振り分けするのもOKでした。

しかしここで欲を出してみました。日本語で特定のタイトルがついたものを振り分けれるかな?でフィルター設定すると、エラー発生。そしてログインすら出来なくなります。

おいおいー。何が起こった?

どうやらこれと同じ現象の様子。日本語設定対応版もfiltersのプラグインまでは対応していなかったようです。ここ直したいな。後日ソースコードを見て頑張ってみるかな。

ということで、記事にあるようにフィルタ指定データで問題になるもの(マルチバイト文字を含む行)を削除。再度ログインすれば大丈夫でした。フー。焦った。

最後に

ということでメールの振り分けを使うこととWEBメールをレンタルサーバで実現したかったら、選択枝が少なく結局Squirrelmailになっちゃうかも・・という話でした。

これだとほとんどのレンタルサーバで動作しそうなので、ひとまずのGmailからの退避にはいいかもですが、ずっとSquirrelmailでいいのか?問題はありますね。

んー。後継は出ないんでしょうか。

あ、各インストール作業のポイントは別記事にしてアップしたいと思います。
ありがとう!Squirrelmail、まだ使えて助かりました!
リスさん先輩、最高です。