WEBメール HORDE WEBMAILとAIPO8


メールのバックアップの方法はいろいろあると思いますが、WEBメールを使うのが便利なのではないかと思い付き調査してみました。

[前提条件]
  • 普段は各PCのメールクライアントソフトでインターネット上のメールサーバーを利用している。
  • 受信通信方式はPOP3。送信はSMTP(認証付サブミッションポート)。
    通信セキュリティは無くても可
  • バックアップメールはローカル環境に保存されておりインターネットが切断された状態でも参照できる。
  • バックアップメールシステムは普段利用の各PCに問題が発生した際に直ちにメーラーとして利用できる。

まずWEBメールをローカルサーバーにインストールすれば解決なんじゃないあと思って調べてみると・・POP3対応って意外と無いんですね。有名どころはいずれもIMAPばかり。

まあメールサーバー+WEBメールセット運用の場合はそっちが普通の構成でしょうから、しょうがない。

そんな中今でもメンテナンスが続いているWEBメールで良さそうなものが2つありました。

・HORDE WEBMAIL
・AIPO8

どちらもグループウエアの一環としてのメール機能の提供となるようなのですが、メールサーバーをプログラム内部に持たないため、メールサーバーを別途用意する必要があります。このメールサーバーはWEBメールと同一サーバーである必要はなく通信が出来る状態であれば外部サーバーでもOKということも共通しています。

ざっと調べただけではどちらがいいのかわからなかったので実際に試験環境にインストールして試してみました。

AIPO
【インストール手順】
LINUX系のインストールに慣れている人であれば全く問題ないでしょう。

【設定】
オープンソース版の方は専用の設定マニュアルが無いようなので、クラウド版やネットの情報を自己収集して行う必要がありますが、難しくはありません。

【メール機能】
POP3できちんと機能しました。送信もSMTPサブミッションポート認証付で正常動作。メールの受信フィルター機能やフォルダの振り分けも可能です。ただ残念なことに自動受信機能が無い。AIPOにログインしても自動受信とはならず、手動で受信しなければいけません。昔から要望されていた機能のようですが、連携するメールサーバーへの影響を考慮してか、実装にいたっていないようです。受信したメールはローカルデータベースにストアされるようです。

結論・・・定期的な自動メール受信機能があれば完璧に近い。さすが日本製。日本人が欲しいところが分かっていらっしゃる。

HORDE WEBMAIL
【インストール手順】
PEARから一発でインストールできると思いきや。いや面倒です。環境によると思いますが、PHPやPEAR自身のアップデートが必要になります。それ以外にもAPACHEやMYSQLの設定も終わっている必要があります。

【設定】
わかり難い。インストール手順までは日本語で解説してくれているサイトもあったのですが、その後の設定は英語版しか見つかりません。それもIMAPのばっかり。外部サーバーとの連携についても記述はほとんどなく試行錯誤が大変でした。なお指定したPOP3/IMAPでのサーバー通信&認証が正しく動作しない限りHORDER WEBMAIL自体にアクセスできません。

【メール機能】POP/IMAPおよびSMTPも動作を確認しました。受信の間隔も設定できます。メール機能だけを見るとAIPOよりは出来ることが多そうです。しかしPOP受信の場合は振り分け機能などいわゆる追加機能が一切使えないようになっています。しかも・・ローカルデータベースに保存してくれているのかよくわからない??。そもそもログイン認証が外部メールサーバーに接続ということはネット障害時には参照出来ない。

結論・・・IMAPであれば便利に使えそう。インターネット切断時のバックアップ運用には向かない。

ということでAIPOですね。

次は自動メール受信機能をなんとかならないか、調査を進めていきたいと思います。
AIPOの機能改修は難しそうなので、ヘッドレストCHROMEなどを使ってログインからメール受信までスクリプトで自動操作できないか・・そんなことを考えています。