3Dプリンタがやってきて早2年。一時的なブームも去ってメディアで取り上げられる機会も減って今は好きな人だけがやっている感じですかね。
さて改めて趣味の3Dプリンターで使われている方、特に廉価型の「積層形」では、その調整に苦労している方も少なくないと思います。
【今更ながらの名言】
積層形3Dプリンターでは第1層のプリントが命
ここ1年くらいは、試行錯誤する中で出来上がった「俺様設定」に満足していたのですが、造形テーブルをほぼ縦横高さともに限界近くまで使用する大物を印刷する際に第1層が定着しないので困り果て、今更ながら原点回帰してみました。
私の場合、PolymakerのPLAを3Mのマスキングテープ+ケープで使う場合がほとんどです。小物の制作では問題なかったので設定上は問題いはずなのに、大物では第1層の定着が非常に悪く・・・これは自分が思った設定が実は反映されていないのではと疑念を抱いたところから話が始まります。
まずGコードとは何かですが、3Dプリンタで印刷を指示するコードのことです。STLデータ(CADなどで作成した3Dデータ)では形状は確定できますが、このデータだけでは3Dプリンタはどのように印刷していいのか分かりません。3Dプリンタが分かる言葉に変換してあげる必要があるのですが、これがGコードなのです。
Gコードの中には縦横高さの指示、移動速度、射出速度、フィラメントの温度管理などが含まれるのですが、このフィラメントの温度管理が何故か自分の思った設定になっていませんでした・・・えー?
理由はよくわからないのですが第1層の途中で温度が第2層以降に設定した値に下がってしまう。これが第1層が定着しない理由だったようです。
【今更ながら第1層定着の名言】
温度は第2層以降よりも10-20度程度高くする
印刷速度は第2層以降の30-50%程度とする
この温度設定を高くする設定が「設定」画面では入っているのですが、生成されたGコードでは正しい場所に入っていないのでした・・・なんで?
まあその理由は一旦置いて、Gコード自体、一種のスクリプトコマンドですので温度設定というスカラー量のため自分の好きな個所にエディットモードで変更してしまえばそれでOKということになります。
ちなみに温度設定のGコードは以下の通り。ホットエンドの温度を200度に設定するコマンドなので、これを第2層印刷の直前の箇所に移動させます。
M104 S200
念のため第1層までの印刷をシミュレートしてその範囲内にホットエンド温度変更が無いことを確認したうえで、印刷開始。
バッチリ食いつきました!
ちなみスライサーにはslic3rを使用しています。
フルオートでも何の問題ないような3Dプリンターが欲しいと思う一方で、必要に応じて知識を増やさないと先に進めなくなる今の環境のほうがいいのかなと思ったりまもします。「スタートスイッチ」を押すだけで印刷は万事OKだと、印刷に関する知識は増えないですよね。
ちなみにこのGコード、古くはNC旋盤のころから使われているコードが基となっているようですが3Dプリンター用には拡張されたものが使用されているようです。
amazonでGコード関連の書籍を検索するとNCプログラム関連のものばかりでてきますね。こんなのとかね。